shinuma de cinema

Mar 16

タイタス →

シェークスピア原作の「タイタス・アンドロニカス」を、ミュージカル「ライオン・キング」の演出家・ジュリー・テイモアが監督した、スケール感溢れる愛と復讐のスペクタクル巨編。
「キネマ旬報社」データベースより

結構前に見て、最近やっと購入しました。
この監督、女性でライオンキングの演出家さんらしいのですが、
いやとにかく豪華絢爛ということばがぴったり。
それと古典作品の映画って
やっぱりその時代に”忠実”なものが一番好ましい、
と思っているのだけど、これは結構別。
というか舞台の演出家だからこういうこと思いつくんだろうな~
っていう表現が面白いな~とわたしは思ったかな~。

全然関係ないけどアマゾンのレビュワーさんは
結構渋い顔してるのはこれが古典を元に作った実験作だから、なのかな。
アマゾンのレビューといえばシカゴの
絶賛レビューっぷりにビキビキきたアバレだけども。
確かにこれは渋い顔してしまうのも分からなくはない・・・けど!
キャストがまずねーもうね、
アンソニーホプキンスにタイタスアンドロニカスやらせようぜ!
って言いだした人にもう惜しみない称賛を送りたい。
羊たちの沈黙やハンニバルを見た人ならだれでも思うことだろうけど、
こういう役はとりあえず黙ってアンソニーホプキンス氏
をキャスティングしておけばうまくいく。
と思っている人にはほんとみてほしい100点だから・・・このタイタスアンドロニカス。


ローマの誉れ高き戦人であるタイタス。
純粋に国(王家)を愛す戦士で闘いの作法も心得たほんとの戦人
相手国の捕虜へのしうちも心得たもの。
一族の誇りであり、子供たちは皆そんな父親を敬う。
とにかく国の栄華は彼と共にあり、民も彼を愛してた。
まぁ現代風に言ったらそういう活動家って
まず政治のわずらわしいいさかいに巻き込まれるよね。
タイタスもそうなって政のいさかいにまきこまれそうになるんだけど
彼はこういった作法にも慣れ親しんでいる様子でなんとか回避しようとする。

んだけど、知恵者っていうのは頭が切れすぎることがもう不幸の始まり
とでもいいたいのか彼の選択が釦の掛け違いを起こしすべてが崩れていく。

惜しむらくは相手国の女王がとんでもねー悪ババァだったのと
サターナイナスが暗愚の暴君であったことだね。

もう冒頭30分あたりで今言ったことが起こるんだけど一番みていられないシーン・・・
こういうのは普通物語の終盤に起こることなのだけど、タイタスでは一番最初に起こる。
もうね見ていられないレベルで転げ落ちていくんです。ライクアローリングストーンなんです。
それでもなぜ最後まで見るかと言うと”滅びの美学”ってこういうものだから。
とにかく順調に悲劇が起こり続け、タイタスはすべてを失いながらまだこれでもか
と傷に塩を塗りたくられていき、はたからは”狂人”として
映るほど変わり果ててしまうわけなんですよ
あの伯父上がこんなことに・・・と皆が嘆き悲しむ中で
ルンルンとしながら「この矢文をジュピターや
アポロンなどの神々に飛ばして伝えておくれ」と神殿に矢を放ったり
敵の策略にまんまと落ちていきながらもただひたすらに
”復讐”の一念だけで地に足をつけて立っているタイタス。


激しい情念のいりまじる生命エネルギーと
忍び寄る死の香りが芳醇でゲボでるレベルの悲劇なんだけど
復讐劇の終結の手際の美しさがこの映画のすべてチャラになっているので、
わたしは好きです。タイタス。


あとね、ジェシカラング扮するタモーラがねほんと悪ババァなの。すっげぇ悪ババァ。
そしてアランカミング扮するサターナイナスの暗愚な皇帝っぷりがねヤバイ。
どのくらいヤバイかっていうと日出処の天子でいう泊瀬部大王レベルにヤバい。

好きなシーンはタモーラの息子が白でくだ巻いてるシーン全般が
いかにも芝居がかった演出で好き。
好きな衣装はジョナサンリースマイヤーズ扮するカイロンが
狩りのシーンで着てたジャケット。
あれかっこよすぎまじで。
セリフがカッコよかったのはタイタスの弟
マーカスがいかにもインテリチックでよかった。
とはいってもあんまりCG技術がよろしくない時期だったのか
そういう演出はちょっと閉口してしまった。
(天使のシーンとか)
最近ほんのすこし舞台を見れるようになってきたので気がついたんだけど
ああいう演出は映画でCGとかにされるより、
舞台の手作業とかまたはスクリーンでやるやつのが臨場感あって好き。
Feb 07

アメリカン・サイコ →

『I SHOT ANDY WARHOL』のM・ハロンが描くサイコサスペンス。『コレリ大尉のマンドリン』のC・ベール演じる若くして成功した超エリート証券マンが突如衝動に駆られ、ニューヨークの夜の街で浮浪者や娼婦を次々と殺害していく。R-15指定作品。「キネマ旬報社」データベースより

人が死ぬということがどういうことなのか、を描いた作品。

豪華な家、高い服、ラクでイイ仕事、センスを問われる食事、ビジンな女などなど、何をしても許されると思っていたけど実はそうではなかったというひとりのエリートの話。罰せられることもなく、個性も排除され、無感動。すべてを兼ね備えていた男がある日突然気付かされる自分自身の完全なる死。中身なんてどうだってよかったのだと吐き捨てて”この苦痛をお前らも味わえ”と身勝手なことを言う男。

名前も中身も個性もどうだっていい男、それが主人公。

そう劇中に出ている男なら誰が主人公でも同じだったハズ。昼の彼ならば。ほんとうに誰が主人公でも滑稽なのね、ただアメリカンサイコの主人公ベイトマンは夜は全く別の顔を持っていたのだ。無差別殺人鬼、シリアルキラーとしての顔。ただその夜だけの顔をもう抑えきれなくなってしまって、昼の友人たちをつぎつぎ手にかけようとする。坂道を転げるように、彼のベイトマン王国は崩壊していく。そして王国の崩壊のあと残るのもが何もなくなってしまう。唯一生を実感できた殺しでさえもてのひらからこぼれおちていってしまい人としての死を迎え、虚ろな抜け殻になる一人の男をすごくうまく描き出してるの、この映画。

撮ってるのが女性の監督らしくて、すごく女性にわかりやすい。まず、男の仕事の話が一切無いのね。たとえば、誰と待ち合わせでランチを~ディナーを~みたいなことしか職場でのやりとりもないし、そのスーツどこのだ、酒はアレがいい、イイ女とカマしたい、名刺を新しくしたってもうね、会話がスゲーガキなの、おそらく女性目線で品定めの意もある撮り方で仕事の話はキョーミないのよェー。ってヤツ。そこがまたわかりやすいし、女にたいして目的があるから優しくなったりそのあとで冷たくなったりみたいな温度差がわかりやすく描かれてるので、女性が見ると楽しめる作りになってるカナ。

コイツマジでイケすかないヤなヤロ~だわ~って思わず言っちゃうほどキチガイクソ野郎を演じ切ったクリスチャンベールすごい!神経質で、アイス食べたスプーンをテーブルに置こうとする女の子に怒鳴り散らすワガママな感じとかすごくよかった。(演技は、ただこういう男はイヤだ・・・)すごく単純な理由で殺しをしていたんだけど、もうただ殺したいから部屋に呼ぶっていう過程が変わっていくさまも良かったし。セックスの間じゅう自分のポーズ気にしてたり、逃げるときの口実がレンタルビデオ返しに行くだったり。すごく人として未成熟な感じがちょこちょこでてるあたりとか、これキャラ設定いきとどいてるな~って思った。

かなりガッツリネタバレしておいてあれだけど、これオススメですわ。

ほんとね。人が死ぬって理論的にこういうことなんじゃないかな?って思った。って何回言うんだ・・・。

Jan 24

シカゴ →

ボブ・フォッシーの名作舞台をロブ・マーシャル監督が映画化したミュージカルドラマ。愛人を射殺した罪で収監されたスターを夢見るロキシーは、刑務所で出会った憧れの大スター・ヴェルマと名声を賭けた争いを繰り広げる。「キネマ旬報社」データベースより

一言でいえば自分の肌には合わなかった。ですけど、ひさびさに映画見て腹立ったので何が気にくわなかったか書き連ねようかと思ってるので、好きな方は観覧注意。

シカゴ見た。

驚きのクソさ。これマジでヒットしたの?その事実ってソースなに?でもさー自分が理解できなかった=クソ映画っていうのはあんまり言いたくないわけ。仮にも100円だしたからなにかよかったところ探しをしたいわけだけど、無かったね。意味もなく挿入されるダンスシーンとか脈略なきゃなんだこれ?じゃない?演出の一環なんだろうけどさーそれを考えると自分の意にそぐわないものを勘違いして借りてきたわたしが絶対わるいけど。それでも言いたいの、わかんなかったし、つまんなかったって。ていうかいつもスルーしてた自分が正しかったね。


映画でこんなに怒りがわいたのは久しぶりです。映画館でウディアレンの娘のマリーアントワネット見たときとハンイバルライジングみたときぶり。マリーアントワネットは舞台美術はすばらしかったけどね・・・でもあれ完全に親が使いきれん金娘にあたえてすきなことしなよってやらした結果があれ、みたいな感じするよね。でハンニバルライジングに関してはもう今でも怒ってるので何も言いたくない。それいらいぶりだわ。


しかしさーレネー・ゼルウィガーってさーブリジット以外やっても価値ないしキュート系の女って30過ぎたら価値無くない?二度言うくらいクソだし下あご歪んでなかった?それとも誰かに殴られてああなったの?あとおっぱいどこにあんの?嘘ついてまで抱きたいようなイイ女だった?いやでも抱きたいときにはイイ女だったのかも。ぶつぎりのストーリーに意味のない”これがシカゴだ”って言っておけばどうにかなると思ってる軽薄なセリフ回し。時代設定無視の華美な電飾。もしこれがシカゴだ!って言うなら悲しい。え?ていうか本当にこれヒットしたの?キャサリンゼタジョーンズは相変わらず綺麗だけどさ。でもアバレが好きなミュージカルってこれじゃない・・・。ていうのを思い知らされたって言うか。レンタル屋各店舗ジャンルを別のところに設置願いたい。つうかこれをミュージカルジャンルにおいて平然としてるなら、タイタスをミュージカルのとこ置け!何億倍も素晴らしいわ。でもあれはどちらかというと史劇なんだよねぇ。何回も言うけどこれほんとにヒットしたの?っていうかわたしの頭が固くて理解できないだけなのかも?わかんなくなってきたけど、わたしこれすっごい良かった!って言うくらいならこの雪の日にきたねえドブ川に飛び込んだほうがまし。ていうか監督はそういう気持ちに観客をさせたかったのかな?罠なのかな?ちょっとわけわかんなくなってきたので、今から雨に唄えばで口直ししてくる。

Jan 20

アイズ ワイド シャット →

巨匠スタンリー・キューブリック監督の遺作となった、異常なまでの強迫観念に怯える男の姿を異常性愛を通して描いたドラマ。トム・クルーズ、ニコール・キッドマンほか出演。(Oricon データベースより
ブロンド、ブルネットなどなど、とにかくかなりグレードの高いおハイソな美女がトムクルーズに身体を開きまくりでお馴染のアイズワイドシャットの感想を。
 この映画って都市伝説が結構あって有名だよね。
あとキューブリックの遺作だし、最後の作品の上に意味深だしで。
トムクルーズといえばMIとトップガンあたりがかなりメジャーですね。
でもわたくし、アバレ歌舞伎が見たかったトムクルーズはまさにこれ

仕事は医者(しかも開業医っぽい)奥さんはセクシーな美女、子供はかわいい女の子、性格は温厚でよくもわるくも女性に好かれる雰囲気、ちょっとあどけない笑顔などなど。
 とにかく人生に冒険は求めず(時折病院の薬を持ち出す程度のことはする)、疾しい秘密も持たず、自分の見渡せる範囲で自分が幸福で家族が幸福であればいい男、それがこの映画の中のトムクルーズ。
 そんな彼が、ふと妻のあられもない秘密の妄想を聞いて困惑したまま受け持ちの患者の臨終の知らせを聞いてその邸宅に向かう。
タクシーの中では妻の妄想が頭の中で具現化する。そして初めて、自分の知らない世界に足を踏み入れようとする。
いままで知ろうともしなかった世界に目を向けるんだけど、最初から最後まで理解っていうものができなくて戸惑い、躊躇の表情を浮かべて深淵の濁流に流されていく。
 そしてそんなトムクルーズをよそに女性はいつも訳知り顔でトムクルーズに近づいては誘うわけ、見てごらんなさいなって。
 というかそんなトムクルーズがおかしくっていとしくってしょうがないんだと思う

ただ一人を除いては

その女性は妻のニコールキッドマンという考えもあるけども、アバレは謎の女こと冒頭でオーバードーズで倒れた女がそれだとおもう。
 謎の女はここで何をしていると問う。
 すべてを知ってる真理であるからこそ、矮小な男の密やかなる冒険に警告する。
 この”ライン”ていうのは誰にでも存在していてるよね。
そしてこのラインを越えるのは簡単、でも越えたらいままでいた側には戻れないのを謎の女は知っているから作中の女性の中で唯一彼女だけが彼を突き放す。
 でもほんと本作に登場するような男に愛されやすいきらびやかな女性が本能的に手玉に取りたがるようなそんな男性なわけねこのトムクルーズ。
だからどの女性も自分の深淵をかいまみせてくれるワケさ。
すべてを知るってことはすべてを知られるっていうことでもあるのでその恐怖に耐えられずにトムクルーズはその密やかなる冒険をやめたんだと思う。
 そして女性はこの作中のトムクルーズのような男を表では、好み掌で転がしながら他の男に求められるような展開を深淵では望んでいるあさましき生き物であるがゆえに男に求められるにふさわしいわけ。

あと全体的に表と裏の使い分けがとてもハッキリしていてわかりやすいところが魅力的。
 ただラストで少しだけ、裏の部分が混じるところがまたこの作品のすばらしいところ。
 似た作品でデビットリンチのブルーベルベットをあげたがるアバレですけど、どちらも起きたところで目が覚める男、それに寄り添う女という似た作品なのですが夢と現があいまいなのがブルーベルベット。
あれは夢だった、とハッキリ割り切ってしまうのがアイズワイドシャット。
 どちらの夢を見るかは、気に入るかはあなた次第、といったところでしょうか。
オマケで
この映画の中でトムクルーズに抱かれたがってる女はごまんといるっていうかどの女もそうだろ!
愛されたいとかじゃなくて肉欲におぼれたがッてる女な!
そのタイプを瞬時に引き付ける魅力を持ってるって設定で見るとこれとんでもなくわかりやすいかも。
女性にはだけど。
まぁ解釈なんて人それぞれなんであくまで多面性の一つと考えてね。
あと現代のオタクチックにいえばようするに妻の寝取られを妄想してたらアッチの趣味に目覚めそうだからイケんじゃね?って思った旦那さんがアッチの世界を覗くんだけど、やっぱ無理だから妻さんの股ぐらに戻るっていう話。
Dec 01

親切なクムジャさん →

『オールド・ボーイ』のパク・チャヌクが監督、『宮廷女官 チャングムの誓い』のイ・ヨンエ主演のサスペンスドラマ。ひとり娘・ジェニーを人質に取られたことにより無実の罪で13年間服役した女が、出所後自分を陥れた男に復讐を開始する。R-15作品。

(「キネマ旬報社」データベースより)

先に言っておきますと、個人的にいまいちストンとこなかったです。

復讐三部作、最後は女性が主役!親切な女は自分も含めて自分を取り巻く環境すべてが憎かったのだ!とにかくそのなかでもとりわけ自分が憎かったわけだけど。でもやっぱオールドボーイとくらべちゃうとなー”親切”の部分も描写浅かったしあれだけ手がかりを手繰り寄せておいて結局最後の”制裁”は他人に託しちゃってたしなぁ・・・。あと結局復讐つってもさぁたしかに自分も娘をネタに脅されていたから共謀してしまった”だけ”で娘とは引き離されたけど結局生きててすごくいい夫婦のところに引き取られてたし、復讐のスイッチの入りが甘いんだよね。ほかの二作と比べると。比べるなっていうほうが無理。で結局何が憎かったかって言うとその復讐する相手よりも自分だったんじゃないかなって。若くて少女で愚かだった自分。

「美しくないと嫌なの」

クムジャさんはそう言って拳銃に銀のオブジェをつける。

まぁ女性にとっての”美意識”って命に近いからなぁ・・・。でもやはり先に見た2作に比べるとパンチ弱かったかなぁ。(いい加減しつこい)ラストはよかったんだけども、どうしてもオールドボーイのほうがよかったしなんだろ三部作のラストとしてはちょっと煮え切らないっていうか・・・あまりこういうことは考えたくないけど、やっぱりかなりヒットしたドラマの主演女優さんだし、いろいろと制約めいたものがあったんじゃないだろうかと思った。結局自分ではほっとんど手を下さなかったし。こういうこと書くと完全に負け組の僻みにしか聞こえないかもだけどあと美貌を強調し過ぎかな・・・って確かにクムジャさんは作中美しく描かれてる描写も多いけど。まぁ神絡化されてないだけマシかな?ただ美しいところはひたすら美しく、っていう雰囲気はよかった。

あとこれからこの【クムジャさん】と【吠える犬は噛まない】をどちらもみようかな~と思ってる人には注意が必要。絶対こっち先にかりたほうがいい。

Nov 05

マルホランド・ドライブ →

デイヴィッド・リンチが放つ美しくも妖しいワンダーミステリー。“マルホランド・ドライブ”の標識近くで、衝突事故が起きる。唯一生き残った女は、自力で街まで辿りつき、ある留守宅に身を潜める。次の日家主の姪が、記憶を失った彼女を見つけ…。(「キネマ旬報社」データベースより)

皆が想像する悪夢とは?ってまず聞いてみたい。まぁたとえば殺される夢とか、知らない人に追いかけられる夢、それがかなり現実感がある夢の中で行われていたらそれは悪夢だろうなーって思う。でも怖い夢を見た、って人に話をしてみるといったい何に恐怖していたのかわからない時がよくあると思います。キリンのぬいぐるみに学校の校庭で追いかけられる夢とかいったい何が怖かったのかわからないけど夢の中では確かに恐れおののいていた事実があるわけで。たぶん同じ夢を見てまたその世界の中では怖いんだろうなぁと思う。そして夢っていうものの一番恐ろしいことって

”どこからが現でどこまでが夢なのか”

っていうものが曖昧なことなんじゃないかな?っていうのがこのデビットリンチ監督のわりと新しい作品を見ていて思ったことでござる。(おそらく)起きてる時に夢を体感できる映画。これだけあーだこーだと書いておいても何が正解かっていうのはきっとリンチ先生の心の中にしかないんだろうなー一生かかっても理解できんわ!ていうのがリンチ先生の魅力なんだろうなー。

わかりそうでわかんない。足がつきそうでつかない水場。かゆいところに微妙に手が届かない。この微妙な感覚のずれがキモチいい、それがこのマルホランドドライブ。甘美でおぞましい夢の世界に足をふみだす、それが大人の上質なファンタジーってヤツよ。夢から覚めた後の保証は無いけれど。

好きなシーンというかとくに自分の中でインパクトに残ってるシーンがダイナーズで”悪夢を見た”っていう警官がその悪夢の中に出てきた浮浪者を見かけて追いかけるシーン。あれがなぜか一番インパクトに残ってる。とりあえず、マルホランドドライブを見た人は、わたしにインパクトに残ったシーンを教えてくれればそれでいい、それでわたしも満足。感想や考察も興味あるけど、まずはそこから。

Nov 04

世界最速のインディアン →

63歳にしてバイク世界最速記録を達成したバート・マンローの真実の物語を『ハンニバル』のアンソニー・ホプキンス主演で映画化。ニュージーランドに住むバートは、以前からの夢である世界最速に挑戦するため、愛機と共にアメリカへ向かう。(「キネマ旬報社」データベースより)

とまぁわかりやすいロードムービーなワケよ。でも主役は63歳のおじいさん。カッコよくはない、庭のレモンの木におしっこしたりしちゃうしお隣りの夫婦からは厄介者の偏屈じいさんに見られてる。でも子供はそんなじいさんが好きで結構一緒に居るんだよね。でもそういう年寄りって多分心が純粋なまま生きてきたんだろうなーって見てて思った。自分もそうありたいねー長生きするなら。しかしまーアンソニーホプキンスのあけすけだけど好々爺なジィさんぷりが見てて気持ちいい。けっこう無茶いってるんだけどね、なんかいい。皆いってることだろうけどね。「俺はバート・マンロー地球の裏側から来た」なんてライダース着たアンソニーホプキンスにシェイクハンズ求められて言われたら心をぐっと掴まれるよね。ロードムービーのわりに展開が早くてわりと中だるみがないのもいいね。次から次に人が吸い寄せられるように出会ってく。

とりわけ好きなシーンは本物のインディアンとのワンシーン。前立腺の病気の話で「君らは儀式みたいなもので治せるんだろう?」と主人公のバードは尋ねる。そうするとインディアンのジェイクは「薬はある、犬の金玉すりつぶした奴 でもあれ飲むなら病気のままのがましだ」って答えるところがなんとも近代っぽい笑。しかも自分は飲まないんだけど最後別れの時バートにはくれる。まずいからたくさんの水とともに飲めってアドバイスと握手。うーんテンポがいい。

困るのはこの俺一人だ。

そう言って防火服もパラシュートもなくて肉切り包丁でスライスしたタイヤをつけたインディアンがボンヌヴィル塩平原を走るシーンはカッコいいなんてもんじゃない。

男なら見たほうがいいねー絶対!

しかしいくつになってもバイクのオイルタンクの蓋を開けるとこを見るとわくわくする。このバイクのオイルタンクに燃料以外何をつめるかがロードームービーの要。

Nov 03

オールド・ボーイ →

2004年カンヌ映画祭でグランプリを受賞したバイオレンスアクション。突然、理由も分からず拉致・潟g泣ウれcX男・デス。15年後に解放された彼は、知り合った女性・ミドの力を借りて復讐を決意するが、そこには想像を絶する策略が隠されていた。R-15作品。(「キネマ旬報社」データベースより)

復讐三部作の第二弾。突然わけもわからぬまま監禁を15年。そんななかで何を生きがいとして見つけるかが重要なわけよ。で主人公が選んだのはこんなことしたヤツへの”復讐”ここを出てそいつに復讐するっていうこと。で、まず監禁されたそこで獄中記みたいなものを書きだす。自分にうらみを持ってそうな奴リスト。それでも結局手がかりも無いまま催眠術にかけられて突然外に出されるわけ。で復讐しようといろんな手がかりを手繰り寄せていくと実は自分が”復讐されている立場”だったことが発覚する。結局復讐者が二人いて自分のしっぽをおいかける犬みたいにぐるぐると回ってるワケ。でも監禁の首謀者のほうの復讐のきっかけっていうのがまたほっとんど言いがかり。よくある「お前が水たまり踏んでたから通りかかっただけの俺のスーツに泥が跳ねた」っていうレベルのどーしようもないいいがかり。でもほんと、首謀者の鮮やかな手練手管をすべて使った復讐が本当に気持ち悪いー。そこに美学は無いけど、深くて不快な憎しみを感じるねー。監禁された側の男の復讐ってのは如何にも韓国人ぽいかんじがしてグー(映画知識だけど)。

首謀者側は何をされたらこんな生き方しかできなくなるんだろうか?って考えてみてもどれとして正解が無いね。こんな生き方はごめんだし。あと韓国映画なのに首謀者側の男の顔が・・・うーんまぁそれはそれでおいておいて!

「復讐者に憐れみを」にはほんの少しあった憐れみを首謀者にまったく感じずに最後まで見れるねー後味最悪なのは相変わらずだけど。つーかアバレはこれ最後まで見終わってこれどう考えても首謀者の男だけが1000%悪じゃん。て思った。いやまぁ完全に容姿・行動などなど全部ひっくるめて偏見を持って見てるからそう断言しちゃってるんだけど。

復讐者には憐れみを は全く人に”見てよ”とおすすめできないけれど、あっちよりはこっちオススメできる・・・かな?いや・・・恋空とか好きな奴にはおすすめできねぇけど。

Oct 28

サボテン・ブラザース →

スティーブ・マーティンほか「サタデー・ナイト・ライブ」のコメディアン3人が主演したコメディ西部劇。西部劇スター“スリー・アミーゴ”がメキシコで本物の盗賊退治に大奮闘する。(「キネマ旬報社」データベースより)

愉快・痛快・サボテンブラザーズ。

喜劇ってこうあるべき!っていうお手本のような映画。今年のオススメ映画はこの【サボテンブラザーズ】と【シルミド】で決定。というか多分来年もオススメしてますこの二本は。喜劇の基本である嘘からでた真の流れが劇中ほんとスムーズだし笑える。み~んな抜けてるんだよね。悪党のエル・アボもお誕生日会で部下にピニャータを用意してもらって大喜びしてるし。

(メキシコで子供がお誕生日会で叩いて中からお菓子だすくすだまみたいなもの)

話の流れは全体的にもう完全に”七人の侍”や”荒野の七人”なんだけど、守る側も頭弱いし本当に強くないし、攻めてくる側もどっか抜けてるし、守ってもらう側は思い込みはげしいしで皆どっかしらヌケサク。で上記二作品と決定的に違うのは(いやなんか全部違うけど)ラストの守る側の行動だよね。アバレはあの発想をみて”こうしていたら島田 勘兵衛も「勝ったのは百姓たちであり自分たちではない」とは言わなかったよね。”と思った。サボテンブラザーズはラストみんなで勝利を勝ち取ったのだ。

あと三谷幸喜さんの合言葉は勇気はこれにヒント得てるんじゃないかなって勝手に思いました。冒頭のシーンとかなんかあんな感じだった気がする。あとマジックアワーもそういえばこういうテイストが見え隠れすよから三谷幸喜作品好きな人には推したい。と思ってwikiしらべたらほんとそうみたいなのでなんかこのくだりは書いてて照れました。

Oct 28

復讐者に憐れみを →

パク・チャヌク監督による“復讐三部作”の第1弾となる、『オールド・ボーイ』の原点とも言うべきバイオレンスアクション。ソン・ガンホ、シン・ハギュン、ペ・ドゥナという錚々たるキャストを迎え、3人の男女が織り成す壮絶な復讐劇を描き出す。R-18作品。(「キネマ旬報社」データベースより)

復讐三部作の第一弾。日本には江戸時代仇討制度があったワケだけど、殺された肉親の仇を討つっていうのは本当にいいことなのか?それで残された人たちは一体何を得るんだろうか?っていうことをいろいろ考えながら見たんだけど。さすが韓国、全然関係なかった。もう情っていうものがトコトン無い。もうねかたき討ちとかじゃないの、本当にただの復讐。残された自分が出来ること・・・そうだ、相手をブチ殺そう!その先のゴールは全然考えてないの。とにかく提案・実行力があって過程も結果もどうでもいい。

すごい。

ちょっとまともなら考えるだけで足がすくむよね、そのあとは・・・?みたいな。でも復讐者たちは終わった後立ち尽くすだけ。

わりと見てる韓国映画が偏っているからだろうけど、とりあえず美味しそうなゴハンを食べてるシーンがひとつもない。しかしソンガンホ様が呆然と立ち尽くすシーンはすごくいい。あの顔の動き一つ一つがいい。というかカット?がいちいちゾッとするほどシュール。笑えるっていうかあそこまでいくとほんと恐怖すらうっすら感じるレベル。

しかし韓国映画の徹底的に情を削ぎ落す姿勢には感動を覚えるね。日本人はそこで足がすくむタイプ。あとどうしても感動を求めちゃう。